プラグイン・ハイブリッド(PHEV)の全て
極めて人気は高いが比較的長いこのページでは5つの基本的な話題をとりあげてみる:
-Frequently Asked Questions
-How to Get a Plug-In Hybrid
-自動車製造業者は言う
-Where Plug-in Hybrids Are
プラグイン・ハイブリッド(PHEV)でー今日ーそれが可能だ。PHEVは基本的に電気コードがついた普通のハイブリッド車といえる。ガスステーションでガソリンを給油し、どこの電源コンセントでも充電できる。ちょうどガソリンタンクのほかに2つめの燃料タンクがついていて、いつもそのタンクの方から使い始め、1ガロン1ドル(1リットル32円)以下に等しい価格で家庭で充電できるというものだ。
必ず充電しなければならないというわけではない。 しかし、充電すれば、バックアップ用にガソリンタンクを備えた電気自動車になるのだ。近距離用にはより排気ガスの少ない、安く、静かな車を使い、長距離ドライブが必要な時はいつでもガソリン車になるということだ。
しかし、これだけではない。
- もし近距離だけのドライブなら、ガソリンを補給する必要は全くない。
- 主に電気で走行する車は車の寿命を通した修理費用がガソリン車に比べてずっと安い。
- プラグイン・ハイブリッドは停電の際、家全体に電力供給が可能;まとまった数のPHEVは緊急時に重要な電力源となりうる。
2007年7月のEPRI―NRDCの最も完全かつ正確な研究:PHEVがもし広く導入されれば排ガスは減少する
EPRI-NRDC研究は遂にPHEVに対し環境の承認印を与えた。ガソリン車と違ってプラグインは古くなるにつれてきれいになっていくーなぜなら送電系統がきれいになっていくからーということを科学者らは確証した。
石油依存を断ち切る最も効果的方法を探している人々にとってPHEVは理にかなっている。なぜなら自動車メーカーは現在の技術と現在のインフラ(電気などの生活基礎設備)を使い今日にもPHEVを作ることが出来るからだ。しかし彼らはPHEVが汚染を増大させないという確固たる論証を必要としていた。主となる研究ではPHEVの市場浸透度と進化しつつある電力供給網の特性(生産量/炭素強度)の両方に対し9つ全ての想定下で、PHEVが向こう40年間にわたり温室効果ガスを大幅に減らすであろうことを示している。2番目の研究ではもし最悪のケースとして依然、大量の石炭を使用し続けている状況でも向こう20年間は他の排ガスに対する全米レベルの大気環境もまた改善されることを示している。
さらに3つの要点:いずれの研究も従来の研究結果と十分合致している。これらは車の夜間充電のために新たな発電所を建設する必要はないというパシフィック・ノースウエスト国立研究所による2007年1月発表の研究結果を確固たるものにしている。また、我々はGMが輸送手段の電気化進展の妥当性としてこの研究結果を認めていることをうれしく思う。
カ リフォルニア、ニューヨーク、マサチューセッツを含むいくつかの州は1990年代初期からゼロ排出ガス車(無公害車)プログラムを導入している。発電所の排気を考慮にいれても、これらの州の電気自動車はガソリン車に比べ都会の大気汚染やスモッグを減らすはるかにクリーンな車だからだ。数々の研究でこのこと は実証されているが、電気そのもが無公害で生産されているわけではないという観点から大気汚染に関するガソリン車と電気自動車との比較はことあるごとに指摘対象となっている。
電気自動車の場合 “ウェル・トゥ・ホイール” (燃料源から運転まで)の排ガスは内燃エンジンのガソリン車より少ない。カリフォルニア大気資源委員会は電気自動車が出す排ガスはガソリン車に比べ少なくても67%少ないという研究結果を出しているーー再生可能エネルギーを使ったとしても。電気による走行距離が20マイルのPHEVでは排ガス量が62%少ない。(2004年研究の95ページを参照)
米国内では二つの政府機関研究により、電力生産の5割が石炭使用であってもPHEVは大きな排ガス削減につながると結論付けている。 米エネル ギー省アルゴンヌ国立研究所の2001年GREET1.6モデルによる研究ではハイブリッドは温室効果ガスを22%、プラグイン・ハイブリッドは36%削減するという推計が出ている。同研究所の研究者らは2002年7月に他の国立研究所、大学、大気資源委員会、車メーカー,公共事業体そして環境とリスクを専門にするコンサルティング会社AD LITTLEとともに夜間充電のPHEVは46%から61%の温室効果ガスを削減することができるだろうという意見 の一致をみている。
車が古くなればなるほど大気汚染が少なくなるのはPHEVと電気自動車だけだ。 なぜなら送電系統は10年ご とにきれいになるからだ。加えてより多くの人が家の屋根に太陽光発電システムを付け、クリーンな風力発電は全国的な勢いで広がっている。 (カルカーズの活動を取り上げているニュースの中 で著名な環境保護支持者レスター・ブラウンによる研究を参照)。 最後に電気以外の燃料を考えた時、温室効果ガスを少しでも 減らすため長距離走行にガソリンを使う代わりにPHEVはバイオジーゼル、セルロース・エタノールや他のバイオ燃料を使うことができる。
CalCars Environmental FAQ
CalCars and Global Warming
Plug In Partners: Environmental Benefits
Summary of environmental benefits by former DOE official Joe Romm
PHEVは通常、稼動し続けなければならない発電所の余分な夜間電力を使って充電するため、ピーク時の電力負荷を上昇させることはな い。いずれPHEVは日中の駐車時にPHEVバッテリーから電力を供給することでピーク時の電力負荷を軽減させるようになるかもしれない。 (よくある質問 と回答の車から送電へ を参照)
PHEVなら電気による近距離ドライブは1マイル当たり最高2セントから4セント(1キロメートル当たり1.5円から3円)まで下が る。
PHEV は夜間充電を意図している。多くの地域で夜間電力は低料金になっている。PHEVが商品化に向けてのスタートを切るに連れて、オフピーク時間の充電を奨励するために割引き夜間料金を提示するなど電力会社のPHEVへの支援が高まってきている。夜間電力が無駄になってしまう風力、水力発電の地域などは 1kWh当たり2,3セントまで料金が下がる。つまりガソリン1ガロン当たり20から25セント(1リットル6円から8円)になるということだ。
なぜPHEVのためにより高い金額を支払わなければならないのか?
プ ラグイン・ハイブリッドのコンパクトカーは通常のハイブリッドよりセダンで2000ドルから3000ドル、SUVで5000ドルほど価格が高くなる。カープール・レーンを利用できる、ガソリンスタンドで費やす時間が少なくなる、家庭用の予備電力が手に入る、車の維持費が下がるそして最も重要なことに石油輸入、温室効果ガス、大気汚染を減らすという社会全体の利益のために幾分高いお金を払う一方で奨励プログラムや助成金を通じてこうしたコストのギャップを縮 めるのがカルカースの使命である。
人 々はサンルーフ、オートマチック、8気筒、革張りシートといったオプションにはごく普通にお金を払う。これらは”特性”であり、だれも払い戻しを求めな い。 JDパワーの調査では”環境特性”をもった車には消費者は幾分高いお金を払うという結果が出ている。どれだけ余分に払うだろうか?ホンダ・シビック・ ハイブリッドの需要が高いことは少なくても3000ドルは余分に払うということを物語っている。
結論
プラグインが高いのは主に電池が高いからだ。しかし、電池技術は着実に向上しており(特にリチウムイオン電池、ナノテクノロジーを活用したリチウムイオン電池も期待されている)、大量に生産されている現在の電池レベルでも使える。
Plug In Partners: Economic Benefits
Wikipedia: Plug-In Hybrids (note graph at top)
米国内の送電はわずか3%が石油を燃料としている一方、輸送はほとんどが石油を動力とするーーこのうち60%は外国からの資源だ(割合はさらに増えつつある)。プラグイン・ハイブリッドを導入することで運転距離の大部分がほぼ石油に頼らない電気にシフトされるだろう。もし全ての車がプラ グイン・ハイブリッドだとしたら外国資源への依存を全く排除するに十分な55%の石油需要を削減することができる。
環境と国家安全の両面から考えて最良の組み合わせはフレックス燃料PHEVだーーガソリンに代わるバイオ燃料、セルロースエタノール、メタノールあるいは代 替液体燃料などで走るPHEV。これは輸送部門の石油使用をゼロにするだろうーーそして米国が必要とする年間の石油量を3分の2削減できることになるだろ う。
Plug In Partners: Nat'l Security Benefits
Instit. for the Analysis of Global Security
Set America Free coalition
"Oil and Security" (PDF), by George Shultz and R. James Woolsey
PHEVは既存技術のみによるもので新たな技術進歩は必要としないことを確実に証明するために私達はこの項で既存のプラグイン・ハイブリッドを追ってみる。PHEV改造車は驚異的割合で出現し(カルカーズ・ニュースに頻繁に掲載されているのを参照)、もはや一つ一 つのPHEVのケースを追うことはできなくなっているほどだ。 最新情報に関しては自動車メーカーはPHEVについて何といっているでしょうか、を参照。要は:
- 多くの自動車メーカーが自社でPHEVを作っており、ダイムラークライスラーはPHEV試作車を公然とテストしている。同社は15人乗りメルセデス商業用バンを40台までPHEVに改造している。ニッケル水素電池を使った車もあれば高度なリチウムイオン電池を使ったものもありジーゼルやガソリンエンジンと 組み合わせている。このプログラムはカリフォルニアの電力研究所(EPRI)、南岸大気管理局,サザンカリフォルニア・エジソンとの協力で進められてい る。プレスリリース、EPRI発表 、ダイムラーの記述 (写真付き)を参照。
- ゼネラルモータースは2車種のPHEVを大量生産する意向を発表した--サターン・ビューSUVとシェビー・ボルトでシリーズ式ハイブリッド(モーター動力だけが車輪を作動させ,ガソリン・エンジンは電池を充電する)。PHEVの進展状況に関する最新ニュースはカルカーズ・ニュース・アーカイブを参照。
- カリフォルニア大学デイビス校にあるアドバンスト・ハイブリッド・ビークル・リサーチセンター (PHEVの現代の発明家でカルカーズ顧問アンディー・フラ ンク教授により創設、指導)は9台のセダンとSUVをPHEVに改造し米エネルギー省が支援する”フューチャー・トラック”(未来のトラック)コンテスト で何度も賞を取っている。”プラグイン・ハイブリッドの父”として広く知られるフランク博士はPHEVの研究を30年にわたり続け、生徒と共に10年以上 もPHEVを作っている。
- カルカーズは2004年に世界初のプラグイン・プリウス(プリウス・プラス)を作った。 以来、いくつかの企業が個人や商用車を持つ会社向けに有料のPHEV改 造サービスを始めるようになってきており、カルカーズは増えつつあるオープンソースのPHEV改造の動きを支援し続けている。
- 2003-04年に米海兵隊はジーゼル発電PHEV-20高機動多目的装輪車=ハンビー=の走行実演を行った (軍は全電気作動の静かで非熱”足跡”を好 み、通常前線まで行くのに有に100ドルを超えるほどのガソリン消費に対する大幅な燃料節約を高く評価している)。 この高度なシャドーRST-V(ゼネラ ル・ダイナミックス社が作った偵察・監視・標的用車)のPHEVは4個の車輪位置に搭載の軽量リチウムイオン電池とモータを使っている詳細、写真 説明 を参照。
- いくつかの会社はプラグイン・ハイブリッドのスクールバスを作っている(ページ下のPHEVはどこにあるか、を参照)。そしてニューヨーク州ロングアイラ ンドは市バス一台を電気で40マイル(64キロメートル)距離を走るプラグイン・ハイブリッドに改造した。より多くの大型車両の改造(”静か”に回収走行 する3台のリサイクルゴミ収集車を含む)が進行中だ。
PHEVの進展状況に関する最新ニュースはカルカーズ・ニュースを,また、(主に)トヨタ・プリウス改造車の日付順リストはPHEVはどこにあるか、を参照。プラグイン・ハイブリッドのより詳しい歴史についてはプラグイン・ハイブリッド:現状、歴史、影響力のある個人、企業を参照。
注:1ドル/120円換算