PLUG OK license plate
自動車メーカーは環境保護、省エネの問題解決の機会となるプラグイン・ハイブリッドをどのように受けとめているだろうか?

もし「大手自動車メーカーはPHEVに同調してきているだろうか?」と聞かれたら「はい、しかしまだ十分とはいえない」というのが現段階での答えだ 1社は生産目標を定めているが、どの自動車メーカーも生産スケジュールを発表するに至っていない。GMは2010年に一般販売することを発表した。また、ほぼ全ての自動車メーカーが2010年以降にPHEVあるいは高速用電池式電気自動車(BEV)を販売するとしている。 2008年後半にBYDは中国で初回生産分の販売を開始する。

我々は乗用車タイプのPHEVについては下の表で各社の最新状況をまとめてきているがBEV,モーターサイクルあるいはバスやトラックのような大型車についてはふれていない。(カルカーズのニュース・アーカイブで最近の重要な開発状況を見つけられたい)。各社現況要約の表に次いで我々のコメント、各メーカーの見方が今年までにどのように進化してきているか、そして2005年からの我々の貴重な情報データであるメーカーのコメントが続く(これは発表声明があまりに頻繁になりすぎて把握しきれなくなったので2008年初めに更新を中止している)。

現況要約の表は2009年2月2日現在

自動車メーカー 概略および公式発表の要約 生産についての現状
AFS トリニティー 自動車メーカーとのライセンス契約でリチウム電池と超電導体を組み合わせた試作車 リカルド社とともにサターンビュー・マイルド・ハイブリッド、XH-150 PHEV-40sの2改造試作車
アプテラ (Aptera) 3万ドル台の未来的軽量3輪2hを開発中 電気自動車に続きプラグインハイブリッド版の予約手付金をシリーズ式PHEV2010年版の予約手付金をカリフォルニアで受付中
アウディ フォルクスワーゲン傘下の同社はPHEV開発を検討中 2007年10月にメトロプロジェクト・クアトロ・サブコンパクトPHEV試作車発表
ブライト・オートモーティブ (Bright Automotive) ロッキーマウンテン・インスティテュートから独立した民間企業で1990年代のRMIの“ハイパーカー”コンセプトを継承する軽量PHEVを設計。アルコア、デューク・エナジー、グーグル、ジョンソン・コントロールズらと提携 インディアナの新興企業はノルウエイのEVS-24で2009年5月に開発車を公開する。大量生産は2012年
BYD 中国深圳のBYD自動車会社(ウォーレン・バフェットのミッド・アメリカ・ホールディングス社が一部保有) 2万から3万ドルで航続距離60マイル'範囲のF6DM PHEVを22000ドルで2009年に中国国内で、2011年に米国で販売予定
クライスラー ENVI部門は、200C EVコンセプトのタウン・アンド・カントリーのミニバンとジープ・パトリオット、ジープ・ラングラーのアンリミテッドSUV、走行距離40マイル範囲の航続距離延長型電気自動車(直列)を開発中 PHEV一車種を米国で2010年末までに販売。他種は2013年まで
ダイムラー・メルセデス ダイムラー・クライスラーのスプリンターPHEVプログラムを引き継いだ。2008年12月に「BlueZERO E-CELL PLUS」シリーズ式PHEVコンセプトを公開した 2004年以来、15人乗りバンの試作車が20種類以上ある。現在、第2世代を開発中。生産未定
フィスカー(Fisker) 航続距離50マイルのシリーズ式PHEV、8万ドルのラグジュリー部門「Karma」、クアンタム・テクノロジー社との提携で「S Sunset」コンバーチブル 2009年第4四半期に開始する少数生産で1000台の予約注文。ディーラー網を設立中
フォード 2012年頃にエスケープ PHEV-40。南カリフォルニア・エジソン社(SCE)、EPRI、他の公共事業体、米エネルギー省らと協力して車から送電の形成利点と経済性のモデルつくりを含めた小規模な長期的プログラムを進行中。バッテリーは準備できていない。燃料電池PHEVコンセプトを公開 最初のPHEV版エスケープを2007年11月にSCEに納入;2008年-2009年に20台。(購買後二次市場では数社がフォード・エスケープのPHEV改造サービスを提供しF-150も一台改造されているーーWhere PHEVs AreICE-Conversionsを参照)。マグナとの共同開発で2011年販売予定の電気自動車「フォーカス」に焦点を絞っている
ゼネラルモータース(GM) 多種多様の燃料が使える”E-Flex”を取り入れた“航続距離延長型電気自動車”(EREV)と呼ばれているシェビー・ボルト、シリーズ式PHEV。キャデラックやオペル・アンペラその他のバージョンでもEREVの生産を計画。サターン・ビュー、PHEV-10を生産予定 “大型デモ用の商業車”を2009年後半に発表予定。2010年後半に1万台以上の販売を目指し2011年にはさらに生産台数を増やす予定。最新情報はChevy Voltを参照。2010年にサターン・ビューの一般道路走行を目指す。生産台は確定していない
ホンダ PHEVを”不必要なエンジンと燃料タンクを備えた車”とみている;”現在開発中のバッテリーが極めて高性能なレベルまで引き上げられると仮定し“電気自動車の生産を見込んでいる。PHEVがもたらす環境利点に懐疑的 プラグイン計画および一般道路走行については分かっていない。長期戦略として水素自動車の推進、開発を続行
現代自動車 韓国のバッテリー・メーカーと提携しハイブリッドを開発中 2011年型でハイブリッド・ソナタ、2013年型でPHEVの可能性
マツダ フォードのパートナーである同社はマツダ・5MPVのプラットフォームをベースにしたシリーズ式PHEVを開発中 計画発表はされていない。ガソリンと水素に焦点を合せている
ニッサン 開発プログラムにPHEVを加えている 日産・ルノー・アライアンスはベター・プレイスと提携で電気自動車に焦点を合せている
Persu Mobility(旧VentureOne) 3輪自動車Persu Hybrid PHEV-20を開発中 2009年に予約金受付予定で2010年にカリフォルニアで発売
サーブ GM傘下の同社はPHEV生産の可能性を検討中 ボルボや他の企業とPHEVを共同研究
トヨタ リチウム電池搭載の2010年型PHEVプリウス500台を2009年に量販車用テストとしてリース予定(米国で150台)。環境、経済面の利点で意見の一致を見ているが一部撤回する発表も出ている。大量生産に入る前に一層の電池開発が必要と述べている。PHEV需要および消費者が充電するかどうか見極める必要あり プリウス2010年型はNiMHかリチウム電池搭載でデザインされている(二次市場企業などが数百台のプリウスを改造――Where PHEVs Areを参照)
ビジョナリー・ビークルス (Visionary Vehicles) マルコム・ブリックリン(スバルとユーゴをアメリカで輸入販売した人物)率いるグループはラグジュリー部門PHEVを目指している PHEV販売に向けて資金調達中
フォルクスワーゲン “未来は電気自動車”の方針は開発に向けてドイツ政府の支持を取り付けていると同社CEOは言う。生産は2014年頃の予定 ジーゼルか水素燃料電池とルーフトップ光電池によるスペースアップとブルー・コンセプトのPHEVバン 。ゴルフの車体をベースにした20台の“ダブル駆動”PHEV-30試作車を2010年に予定
ボルボ フォード傘下の同社はPHEVを検討中 "多種多様燃料対応の車輪モーター付きシリーズ式航続60マイルのPHEV試作車”リチャージ”。サーブや他の企業とPHEVを共同研究

我々が集めたメディアの報道でわかるように、PHEVに対するメーカーのコメントは相反している。PHEVへの意識や関心が高まり、メディアや顧客、最近では企業経営者や政治家らも加わりPHEVに直結した質問が出るに連れ、メーカーの反応も変化しつつある。「誰も関心を持たない、誰も充電なんかしない、技術が複雑すぎる、メリットはわずかだ、排ガスが車の排気管から発電所の煙突に移るだけだ、PHEVの需要はない」などメーカーが何年にもわたって言い続けてきたPHEVへのネガティブなコメントは今でもたまには出るがほとんどは過去のものとなっている。

なぜ自動車メーカがいまだに足を引きずっている状態かを説明する事柄として“彼らがまだ実行可能になっていない”ということがある。バッテリーの寿命、先行投資コスト、安全性などについてのメーカーの現実的かつ特定の問題に対する対応は不特定年数にわたる技術開発とテストに焦点を合わせている。“投資対効果“を疑問視する彼らの声明はPHEVの生産・販売に対し5ドルから1万ドルの連邦奨励金には反映していない。カルカーズとPHEVを支持する共同体はこうした全ての問題を解決する方法を見つけるため努力を続けている。そうすることにより世界の大手自動車メーカーはPHEV生産に向けてのスタートを切り、公共事業体など多数の商用車をかかえPHEVを試したいとする顧客に対し十分機能するPHEVの試作車を提示することができる。バッテリー性能が着実にあるいは急速に向上するに従ってより優れたPHEVの生産ができるようになる。カルカーズのニュース・アーカイブの頻出するコメントを参照。

2005年から我々は自動車メーカーによる個々の意向声明を引用してきたが2008年からコメント数が追跡するにはあまりに多すぎてきた。各メーカーが継続的かつ奏効の草の根運動にいかに反応しているかに興味があるジャーナリスト、歴史家あるいは読者らは下記にその経過を読むことが出来る。

この表とイントロダクションは複数の外国語でも読むことができる。外国語版は翻訳にかかる時間があるため遅れる場合がある(ホームペ-ジの下にリンクあり)

メディア引用は2008年3月16日現在


翻訳: 吉本明子、古川みゆき、マット・マシューズ。訂正、提案、翻訳ボランティアに関してはcalcars.orgのウエブマスターまで。

Translation: Akiko Yoshimoto, Miyuki Merry & Matt Mathews.  Please contact the webmaster at calcars.org for corrections or suggestions, or to volunteer as a translator.

Check out past CalCars news, or subscribe to our low-traffic PHEV newsletter at right: 
Copyright © 2003-08 California Cars Initiative, an activity of the International Humanities Center | Site Map